第4回 実務講座 事前学習 4

(4)右脛骨プラトー骨折、膝関節の構造と仕組みについて?

事前学習もムチウチ→鎖骨骨折→骨盤骨折と続き、佳境に入ってきました。

まず、膝関節の構造と仕組みから学習します。

膝関節の構造と仕組み

膝関節は、大腿骨、脛骨そして大腿四頭筋、膝蓋腱に支えられた膝蓋骨の3つの骨で構成されており、膝を曲げるときには、大腿の後部にあるハムストリングスが収縮し、同時に、大腿の前面にある大腿四頭筋が緩み、大腿骨が脛骨の上を後方に滑ります。
ハムストリングスとは膝屈曲筋のことです。

膝関節の構造と仕組み2

①関節包
膝関節を保護する目的で、関節包という柔軟性のある袋状の組織で包み込まれています。

膝関節の構造と仕組み3

②滑膜と滑液
関節包の内側の薄い膜を滑膜と呼びます。
滑膜は滑液を作り出し、滑液は、関節包の中で潤滑油の役目を果たしています。
さらに軟骨に栄養を供給しています。
「膝に水がたまる」 とは、炎症を原因として滑液が異常に増えた状態のことをいいます。

③軟骨
大腿骨と脛骨、膝蓋骨の3つの骨の表面は弾力のある軟骨で覆われています。
軟骨はコラーゲン、水そしてプロテオグリカンで構成される保護組織です。
関節は軟骨同士が向き合っていて動きますが、この軟骨の間に関節液が入ると、アイススケートよりも摩擦のない状態で動きます。この作用により、軟骨は摩耗しないようになっているのです。

④半月板
関節包の中、大腿骨と脛骨の間にはクッションの役目をする2つの半月板が存在します。
内側半月板と外側半月板は関節に加わる衝撃を吸収、クッションとして軟骨を守り、さらにスタビライザーとして膝関節の安定性を高めているのです。

⑤靭帯

大腿骨と脛骨がグラグラと動揺しないように、2つの骨は靭帯でつながれています。
膝関節の両側面にある靭帯を内外側副靭帯といいます。
膝関節の中央部には、前十字靭帯と後十字靭帯があります。

http://www.jinko-kansetsu.net/knee/01_structure/
上記のHPからイラストをお借りしています。

プラトーとは脛骨上面のことで、プラトー骨折は、膝関節内にある脛骨近位端の骨折です。
単なる骨折ととらえるのではなく、
□骨折の形状と骨癒合の状況?
□膝関節の機能障害は可動域制限か動揺性か?
□動揺性では、どの靱帯が損傷しているか?
□関節部の疼痛、動作痛では、軟骨、半月板損傷が認められるか?
被害者の症状を確認し、複眼をもって検証しなければなりません。
後遺障害の等級は、非該当から8級7号の拡がりがあります。
交通事故の相談対応でも、上記の複眼的な視点を持つことが必要になります。

Nliro調査事務所は、提出の後遺障害診断書と画像のみで等級を審査しています。

後遺障害診断書は一人歩きをしているのです。

可動域制限だけで等級が認定されているのではありません。
靱帯断裂や損傷に伴う動揺関節も機能障害としてとらえられています。
その立証を怠れば、等級は非該当になります。
つまり、後遺障害診断書は一人歩きをしているのです。

爺さん会から、「動揺関節を立証してください?」 そんな指摘は行われないのです。
「立証せざるもの後遺障害にあらず!」 専門家であれば肝に銘じておくことです。