治療費・看護料・差額ベッド料・治療関係費用・通院交通費について 6

(9)諸雑費
入院雑費

療養に直接必要な諸物品の購入や使用料、医師の指示により摂取した栄養物の購入費、通信費がこれに相当します。 逆に、該当しないものは、見舞客のための接待費用や医師、看護士に対する謝礼等の間接費用、パジャマ、寝具、テレビ、ラジオ、体温計の購入等、治療後の日常生活で使用できるものの購入費用が考えられます。

栄養物の購入費

なお、入院中に要した費用で、診療報酬明細書に記載される光熱費、冷暖房費、入院管理料については治療費で 精算されています。

入院1日について、立証資料の提出がなくとも1100円の定額を認定しています。
これを超える金額は、必要かつ妥当な実費を認めるとされています。
通院または自宅療養中の諸雑費も、必要かつ妥当な実費を認めるとされていますが、これは立証資料に基づく実額の認定となります。

(10)義肢等の費用

交通事故外傷の結果、医師が身体の機能を補完するために必要と認めた義肢、歯科補綴、義眼、メガネ、コンタクトレンズ、補聴器、松葉杖の費用については必要かつ妥当な実費を認めると規定しています。

義肢等の費用

先の用具を使用していた被害者が、交通事故受傷により修繕や再調達の費用が生じたときは、必要かつ妥当な実費が認められます。
被害者はこれらの費用が物損ではなく、対人保険で支払われることに注目してください。

①メガネ、コンタクトレンズの費用
メガネ代の上限額は消費税を含めないで50000円です。

Q メガネ代が49000円、消費税2450円のときは?
A 合計額の51450円が認められます。

Q メガネ代が52000円、消費税2600円のときは?
A 52500円が認められ、2100円は認定されません。

Q 被害者が近視用と老眼用の2つのメガネを破損したときは?
A 2つのめがねについて、それぞれ50000円の上限額まで認めます。
被害者は交通事故受傷当時に使用していたメガネと同等のものを請求することが出来ます。
50000円を超える費用は保険屋さんが負担しますので、これは覚える必要がありません。

②歯の治療費
ややこしいので、覚える必要はありません。
歯冠と継続歯=差し歯

歯冠と継続歯=差し歯

1歯について8万円の範囲内、8万円を超えるときは、10万円までが認定されます。

架工義歯=ブリッジ

架工義歯=ブリッジ

欠損歯、支台歯のいずれも、1歯について8万円の範囲内が、8万円を超えるときは10万円までが認定されます。

義歯=入れ歯

義歯=入れ歯

1~4歯20万円、5~8歯25万円、9~14歯30万円の範囲内で認定されます。

仮義歯
1床について5万円の範囲内で認定されます。

総義歯
1顎につき原則として30万円の範囲内、上下顎を総義歯とした場合は、60万円の範囲内で認定されます。

③その他
義歯の費用を認めたときは、消費税分も認められます。
12歳以下の子供の歯牙欠損で、最終補綴までに長期間を要するものは、医師の証明書、見積書で見込み費用が認定されています。
被害者の受傷態様から治療の一環として歯列矯正の必要があるときは、医師の証明に基づいて認定します。

交通事故でインプラントは認められるか?
ちょっと自賠責保険から脱線します。
外傷により歯を喪失したときの治療は、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3つからの選択です。

ところが、健康保険による治療では、インプラントを認めていません。
機能性、審美性においてはインプラントが優れていますが、自由診療であり、高額です。

さて、被害者は、加害者に対して最良の医療を受ける権利、損害賠償請求権を有しています。
事故受傷により歯を喪失し、歯科医が、インプラント治療が可能であると診断、被害者がこの治療を選択したときは、任意自動車保険は、この費用を負担しなければなりません。
歯科医がすすめたインプラントの治療方法が否定された判決はありません。

近年、どちらの保険屋さんも、インプラント治療を認め、費用を負担しています。