弁護士ならどう解決する?

①47歳男性ですが、原付を運転中、居眠り運転の軽四輪に追突され、道路脇の畑に転落しました。
傷病名は、左肩鎖関節脱臼骨折ですが、徒手整復とバストバンドで固定されています。
洋品店を経営していますが、節税対策山盛りで、確定申告では、年収350万円です。

②7ヵ月間の療養で症状固定とし、後遺障害は併合11級が認定されました。
内訳は、左肩の機能障害として12級6号、左鎖骨の変形で12級5号、併合11級です。

③過失割合は、追突であり0:100、加害者は、通販系の任意保険に加入しており、本人は、人身傷害保険、弁護士費用特約ありの任意保険に加入しています。

さて、弁護士費用特約を適用して、本件の理想的な解決方法を考えてください。

弁護士

通販系の損保に対して、地裁基準で損害賠償請求を行う?
これなら、誰でも考えるありきたりのパターンで、弁護士としては失格です。
なぜ? これだと、逸失利益の基礎収入は350万円となってしまうからです。

67歳までの20年間について喪失期間が認められたとしても、
350万円×0.14×12.462=610万6400円
あまりにショボイ逸失利益となるのです。

「喪失率が14%ですが、11級は20%では?」
確かに、ご指摘の通りですが、逸失利益が発生するほどの鎖骨の変形はありません。
したがって、左肩関節の機能障害、12級6号の喪失率、14%に絞って、請求しています。

「実収入ではなく、年齢別・男女別の賃金センサスで請求できるのでは?」
証明のできる所得額は、350万円です。
賃金センサスでは、655万1100円ですから、
逸失利益は、655万1100円×0.14×12.462=1142万9600円となります。
年収の格差は、305万1100円ですが、655万1100円の年収を得る蓋然性は、如何でしょうか?
シャネル、ヴィトンのブティックではなく、商店街の洋品店です。
どう考えても、格差を埋める蓋然性がありません。

この質問をしているようでは、交通事故に得意な弁護士とは言えません。

では、どうしたらいいのか?

本件では、被害者が加入している人身傷害保険に着目することになります。
人身傷害保険では、逸失利益の基礎収入を、年齢別・男女別平均賃金を最低額としているからです。
47歳の男性であれば、月額、49万2900円、年ベースで591万4800円となります。
つまり、加入の人身傷害保険に請求すれば、
逸失利益は、591万4800円×0.14×12.462=1031万9400円となるのです。

本件では、等級が認定された時点で、人身傷害保険に保険金請求を行うのです。
これを回収した時点で、通販系損保に対しては、
入院雑費、傷害部分の慰謝料、後遺障害部分の慰謝料について、地裁基準で請求するのです。
これが、本件の理想的な解決方法です。

実は、12/8の相談会で、被害者から、このことが質問されています。
被害者は、弁護士費用特約の適用に際し、弁護士の紹介を加入の保険屋さんに依頼しています。
私も知っている保険屋さん子飼いのロートル弁護士が登場しています。
お定まり、通販系の損保に損害賠償請求をしたのですが、逸失利益は350万円の基礎収入に、なんと5年の喪失年数を認める? 思い切りアホにされているのです。
350万円×0.14×4.3295=212万1500円?
ここで、損害賠償交渉は、頓挫したままです。

相談会に参加した被害者ですが、その後、業を煮やして、ポンスケ弁護士に強くお願いしたのです。
「先生、私の加入する人身傷害保険に請求してください?」
ところが、このポンスケは、アッケラカンと断ったのです。
「私は顧問弁護士だから、あなたの加入する保険屋さんには請求できません。」

被害者もオバカですが、実に情けない、ポンスケ弁護士です。
弁護士特約の適用で、保険屋さんに弁護士の紹介を依頼する? ナンセンスなお話です。

私が親しくしている保険屋さんの告白を紹介しておきます。
高次脳機能障害で3級3号が認定された被害者の家族が弁護士に依頼しました。
受任通知書が届いたのですが、それっきり、なんの音沙汰もありません。

査定担当者は、このポンスケに電話を入れ、「こちらから、損害の積算をご提示しましょうか!」 と腰を低くして持ちかけるのだそうです。
そして、入院雑費、傷害部分の慰謝料、後遺障害の慰謝料は赤本基準で積算するのですが、逸失利益と介護料はごまかして薄めにかかるのです。

失利益と介護料はごまかして薄めにかかるのです。

3日を経過する頃、このポンスケに電話を入れます。
「法定代理人を評価させていただき、上司とも相談の上、赤本基準で決済を取りつけました!」
嘘ばっかりですが、このように持ち上げるのだそうです。

その後、ポンスケは、被害者側を説得し、先の内容で示談解決となると言い切っています。
「会社に出入りしているのも、代理で乗り込んでくるのも、弁護士なんてチョロいもん!」
実は、保険屋さんは足下を見きって、豪語しているのです。
なんと驚くことに、全体の70%が、これで解決しているとのことです。

弁護士たるもの、保険屋さんごときに舐められてはいけません。