治療費・看護料・差額ベッド料・治療関係費用・通院交通費について 2

(4)投薬料、手術料、処置料
これには、注射料、検査料、画像診断料、輸血料、麻酔料が含まれています。

①売薬
薬品名、必要期間、必要量について医師の指示がなされているものに限定して支払いがなされます。

②院外薬局が処方した薬剤費用
原則としては、調剤報酬明細書を取付けて薬剤費用を認定、支払われています。
診療報酬明細書により、医師の処方箋発行の事実が確認できるときは、
請求金額が薬局発行の領収書1枚ごとに5000円未満であること、
請求金額が5000円以上であるときは、薬局等への確認により、私病に対する売薬が含まれていないことが確認できること、
この2つの条件を満たすときは、調剤報酬明細書の取り付けを省略して支払いがなされています。

「いつも、もろてる水虫の薬も入れとって?」 こんなことはできないのです。

③治癒後の検査費用
傷病治癒後であっても、医師の指示で検査を目的に通院したときは、検査費用を支払います。
しかし、症状固定後の検査費用や治療費は負担されません。

④整形手術費用
これは、世間一般では、形成手術費用と呼ばれているものです。

顔面の醜状痕

後遺障害認定を受けていないときは、問題なく支払われていますが、等級認定を受けたときは、必要な治療費として認定されません。
この手術を受けた結果として、障害等級が下がる、非該当が予想される場合でも、既払額の回収を行わないと明記されています。

後遺障害を申請しても、結果が非該当のときは、その後の手術費用は負担されます。

将来の手術見込み費用は、12才以下の子供で、現時点で手術ができない理由が明確で、治療先の見積額が妥当なときは、Nliro調査事務所長決裁で認定されています。
このときは、主治医の診断書と治療先の見積書で立証することになります。

顔面の醜状痕は男女ともに深刻な問題ですが、後遺障害の評価も高く設定されています。

外貌の醜状痕

私は、顔面の醜状痕の被害者に対しては、先に、後遺障害の申請と等級の獲得を指示しています。

形成術

形成術は、示談締結後に、健康保険適用で受けることになります。

受傷後6カ月を経過した段階で、待ったなし、後遺障害診断を受けて申請します。
瘢痕は時間の経過とともに縮んでいくことが予想されるからです。

受傷後6カ月を経過した段階

5cm以上の線状痕であれば、9級16号が認定され、自賠責保険は616万円を振り込みます。
ところが、4.9cmになれば、12級14号に格下げされ、224万円の振り込みです。
2.9cmの線状痕となれば、認定基準に達していないとして非該当とされます。

5㎝の線状痕が2㎝になることはありませんが、4.5㎝は予想できます。
同じく、3㎝の線状痕が0.5cmになることはありませんが、2.5㎝は、通常、あり得るのです。
急いで手術を受けたい気持ちは分かるのですが、一部の美容形成を除いて、総合病院の形成外科であれば、大多数が6ヵ月以内に手術に着手することはありません。
受傷後1年は、保存的にテーピング、リザベンの内服で経過を観察し、創の安定を待つのです。
焦って失敗すれば、「保険屋さんの責任ではない?」 こんな問題も浮上します。
したがって、受傷後6カ月をひたすら待ち、一気に等級の獲得に邁進するのです。

例えば、顔面の醜状痕、右大腿骨顆部骨折の被害者で、6カ月を経過した時点では、骨折部の骨癒合が得られていないことがあります。

最終的に全部まとめて?

保険屋さんは、「骨癒合が得られた段階で、すべてをまとめて症状固定とされては?」 そのように説得しますが、構うことはありません。
顔面の醜状痕だけをピックアップして症状固定、後遺障害の申請に持ち込むのです。

自賠法には、すべてをまとめて症状固定としなければならないとの規定はありません。
部位ごとに症状固定として、等級が格下げされる危険を回避しなければなりません。

上・下肢の露出面の醜状痕

参考までに、上・下肢の醜状障害の認定基準です。