(4)各種事業主の休業損害認定方法

①青色申告事業主の休業損害日額の認定計算式

 (確定申告額の所得金額+青色申告特別控除額)÷365日
青色申告による税法上の所得計算=総収入額-必要経費-青色申告特別控除

実質所得

実質所得は、所得金額に青色申告特別控除を加えた金額となります。
青色申告特別控除は、正規な簿記の原則で記録されていれば、55万円、簡易簿記であれば、45万円が控除額の上限額となります。

実務上の控除は、不動産所得の金額⇒事業所得の金額の順序で控除がなされます。
上限額55万円を控除された被害者に不動産所得による10万円の控除がなされているとき、不動産所得は不労所得との考えから、55万円-10万円=45万円が所得金額に加算され、所得金額+45万円÷365日=休業損害日額となるのです。
申告額に誤りがなければ、被害者自身で計算することが可能です。
ややこしい説明ですが、覚えておかれると便利です。

②白色申告の事業主

確定申告書の所得金額÷365日=(収入金額-諸経費)÷365日

③白色申告事業主で家族専従者がいるとき、

(確定申告書の所得金額+専従者控除額)×寄与率÷365日
=(収入金額-諸経費)×寄与率÷365日もしくは、確定申告書の所得金額÷365日
上記のいずれか有利な方法が採用されています。

白色申告は、事業主の実質所得に専従者の労務の対価が含まれていると考えられるのです。
白色申告の専従者控除は、専従者に支払われた給与と理解するのではなく、所得額計算上の単なる特別控除に過ぎないとされているのです。

④生命保険の外交員等の休業損害?

 (報酬・料金・契約金および賞金の支払調書-必要経費)÷365日=休業損害日額
報酬・料金・契約金および賞金の支払調書は、事故前年度のものを勤務先から取付けます。
休業日数の認定ですが、生命保険外交員は自由業者の範囲に含まれるのですが、実態は給与所得者と同様の勤務内容であるところから、休業損害証明書をもとに休業日数を認定します。
化粧品のセールスマンも同様の取扱いがなされています。

生命保険の外交員等の休業損害

⑤個人タクシーの運転者?

 (休業損害証明書に記載された営業収入つまり、水揚げ額-必要経費)÷90日
確定申告書の写しが提出されたときは、それに基づいて算出します。
個人タクシーの大部分は、協同組合に加盟しています。組合は、個人タクシーが休業した場合の都道府県知事に対する届出や所得申告等を代行しています。
したがって、これらの資料に基づき組合が発行する休業損害証明書は信憑性のあるものと判断がなされます。 個人タクシーは、事業所得者となるのですが、先の経緯から、休業日数は組合の作成した休業損害証明書に基づき、給与所得者と同様に認定がなされるのです。

協同組合に非加入のときは、確定申告書の写しの提出等、信憑性のある資料の提出を求め、事業所得者の方法で認定されています。
組合の加入・非加入を問わず、寄与率は100%の取扱いです。