認定される損害、その他の費用

(1)近親者の事故地までの交通費と宿泊費

この場合の近親者とは、遺族慰謝料請求権者の範囲の方となります。
軽傷で通院のみの事案では、認定されません。
入院等でやむを得ない事情が認められるときは、往復の交通費と日帰りが困難な遠隔地のときは、2名に限って交通費と宿泊費が認められます。
既に被害者が死亡しているとき、この費用は葬儀費の一部として認定されます。

(2)学生・学童が留年した場合の費用

学生・学童が留年

事故を原因として留年に至ったときは、1年間の授業料に相当する金額が認められます。
学校とは、学校教育法1条で定めるもので、小・中・高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校および幼稚園のことです。
中等教育学校? 私は、これを知りません。

(3)通勤・通学のためのタクシー代

傷害の態様等から、タクシーの利用がやむを得ないと判断できるときは、必要かつ妥当な実費を認めるとされており、傷害の態様とは、骨折でギプス固定をしており、松葉杖で通勤ラッシュの電車やバスの利用が不可能な状態を想定しています。

通勤・通学のためのタクシー代

(4)輸血の謝礼

輸血の謝礼

交通事故の入院手術で知人等から血液の提供を受け輸血したときは、謝礼として、献血者1人1回について5000円を目安に認定されています。

(5)かつらの新規購入費用

かつらの新規購入費用

手術のために剃髪した被害者が、かつらの購入をしたときは実費が認定されます。
もちろん、一部分の剃毛では認められません。
事故以前から装用しておられたかつらは、メガネの様に人身部分の損害として処理ができません。
物損で対応することになり、自賠責保険ではなく、任意保険の対応となります。
近年高額なかつらが普及しています。物損で対応することになり、

私の保険調査員としての経験では、300万円がありました。
したがって、保険屋さんに見せるまでは、大切に残しておかなければなりません。

うっかり捨ててしまったときは、同一価格の商品を手に入れるのに泣くほど苦労します。
苦労の余り、残りの毛までが抜けてしまっても、それは補償はされません。

(6)観光旅行・結婚式及び披露宴のキャンセル料

結婚式及び披露宴のキャンセル料

観光旅行のキャンセル料は、被害者1名分について認定されています。
通院の軽傷事案では困難です。
さらに、コンサートや観劇のチケット代は認定されません。
これは、自動車損害賠償保障法による自賠責保険の判断です。
任意保険も、右に習えで、同じ対応ですが、弁護士であれば、認めさせなければなりません。
交渉力によっては認められます。

結婚式や新婚旅行は、人生に於ける重大行事ですから、2名分を認めます。

2名分を認めます。

しかし、結婚式や披露宴は通常は2名では行いません。
400名参列の披露宴が前日にキャンセルされたときは、そのキャンセル費用が幾らになるか?
これは私には分かりません。
さらに、このキャンセル料の2名分をどうして計算するか? これも分かりません。
離婚は1度だけ経験しておりますが、結婚式のキャンセルは経験がないのでチンプンカンプンです。
もっとも離婚が如何に高くつくか、これは、身に染みて承知しています。

事故後、お二人のラブラブな関係が壊れ、結婚式がキャンセルになっても、これは請求できません。
「交通事故受傷で2人の関係がこじれた?」
などと主張しても、指をさして笑われるだけですから、請求はしないでください。

(7)被害者を救助または捜索する費用

車両の引き上げ作業は物損ですから認められません。
しかし、車両と被害者を同時に引き上げたときは、必要かつ妥当な実費を認定するとされています。
さらに、被害者の救助捜索のために応援を求めた近隣の人達に対し、日当や謝礼金を支払ったときは、必要かつ妥当な実費を認定するとされています。

(8)事故場所から治療先まで被害者を搬送する費用

被害者を搬送する費用

事故現場を通りかかった自動車に被害者の搬送を依頼したときは、被害者の血痕によりシートが汚損するケースが、被害者をくるんだ毛布やタオルが使いものにならなくなることも十分に考えられます
これは補填されますので、その様な状況に差し掛かった時は、積極的に救助に参加してください。

(9)下肢等切断部分の火葬場使用料

切断部分の火葬場使用料

当然に認められます。
一般的には治療機関側で処分するもので、治療関係費として認定がなされます。

(10)事故による早産で嬰児の損害

事故による早産で嬰児の損害

嬰児を独立した被害者として認定し、その損害を認定します。
早産による保育器の使用や、慰謝料が認定されます。
不幸にして死亡した場合は、死亡事故として取り扱います。
嬰児について、戸籍上出生届が行われていないときは、医師の証明書が必要となります。