昨日の記事だし、「名古屋のおみゃぁさん、舐められとるがね?」 メールで大きな反響がありました。
実は、舐められているのは、決して名古屋だけではありません。
そのことを補足しておきます。

財団法人交通事故紛争処理センター

財団法人交通事故紛争処理センターは、高等裁判所のある全国8カ所に設置されています。
全8カ所の内、赤本基準を適用しているのは、東京本部に限られています。

大阪支部は、大阪地裁基準を適用、ムチウチには冷たいのですが、赤本基準に近づきつつあります。
しかし、残りの6支部は、青本基準をベースとしています。
札幌と福岡支部では、数名の弁護士が要望により、赤本で計算するとのことです。

仙台・名古屋・広島・高松は、ムチウチであれば、下限額の適用となっています。
おみゃぁさんたち、舐められとるがね? となるのです。

青い本の問題点?

傷害部分慰謝料(単位 万円)

青い本では、上限額と下限額を算出、その範囲内において妥当な金額を決定する。
症状が特に重いときは、上限の20%増程度まで加算を考慮するとされています。

さて、再び、東京地裁民事27部総括判事の河邊 義典氏の講演を引用します。
非常に分かりやすい言葉で、ポンスケ弁護士さんを糾弾しておられます。
長いのですが、じっくりとお読みください。

原告代理人に対する要望
原告側が過大な請求をしてくる事件が大変多いことは、既に指摘されているとおりです。
中間利息の控除割合を年2分、3分として逸失利益を算定するのは、議論のあるところですから、やむを得ないとしても、基礎収入、生活費控除率、労働能力喪失期間などにつき、現在の一般的な民事交通訴訟の実務の扱いと異なる見解に立って、目一杯、請求金額を膨らましているという訴状が少なくありません。特に、東京地裁でその傾向が顕著といわれています。
この点については、平成6年版の赤い本で、当時の南敏文・部総括判事が次のように述べています。

「高裁で拝見していますと、同様の事故、傷害の発生にかかわらず、東京地裁とそれ以外の地裁とでは、訴額が相当異なっていることに気がつきました。
例えば、東京以外の地域では、過失相殺が考えられる場合は、その点を考慮した訴額となっているのに比し、東京地裁では、予め考慮した訴状を見るのは皆無に近いです。さらに、東京地裁では、考え得る限りの損害を、しかも、最大の額で訴えるのが多いように見受けます。
しかし、赤い本の普及等により、判決となった場合は、東京地裁でもそれ以外の地裁でも許容額にそれほど開きがないことから、印紙代を余計に支払った結果となります。

弁護士の先生方は、依頼者に対し、これらの点を十分に説明した上で訴状を起案されているものと思いますが、費用負担の点等も考慮され、今一度、ご検討をお願い申し上げたいと思います。」

そのほか、これも既に指摘されているところですが、事前に自賠法16条による被害者請求をしていない事案が相当数見受けられます。
このような事案では、判決になった場合には、被害者請求で支払いを受けることのできた部分について、弁護士費用を相当減額する扱いです。
提訴前に必ず被害者請求を終えていただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

また、被告側が交通事件に精通した代理人が多いのに対し、原告側の代理人は、交通事件の経験の少ない方であるのが普通です。
残念ながら、赤い本にさえ目を通していない方も少なくありません。
依頼者の利益を守るためにも、原告側の代理人は、相当な勉強をしていただきたいと思います。

ぎょうせい出版、「新しい交通賠償論の胎動」 38~39Pを抜粋して掲載しています。

今から10年ほど前、30歳専業主婦の14級9号に対して、1200万円の訴訟が提起されました?
こうなると、ポンスケ弁護士どころか、キチガイ沙汰です。
逸失利益の基礎収入は、大卒・女性・全年齢平均を採用?
喪失期間は37年、新ホフマン20.6254による積算?
453万0100円×0.05×20.6254=467万1756円
家事従事者の休業損害についても、根拠なく、453万円の請求です。
訴額の合計は1200万円で、印紙代は5万6000円です。
果たして、こんなに貰えるのか? 心配になった被害者が、無料相談会に参加されたのです。

いずれも、あり得ないことですから、もうすぐ和解で320万円前後ですよと回答しておきました。

訴訟提起から5カ月で、ほぼ強制的な和解となり、被害者が手にしたのは331万円です。
被害者は、着手金50万円、印紙代5万5000円、報酬30万円の、85万5000円を負担しています。
331万円であれば、印紙代は2万2000円で済んだのです。

先の総括判事の講演では、東京地裁における原告側代理人の過大請求が問題とされていますが、
青い本は、ポンスケ弁護士の大風呂敷請求に役に立っているのです。
上限値×1.2? あり得ない大風呂敷を拡げるのです。

ところが、紛センでは、被害者の実情に斟酌することなく、いつも下限額で積算されているのです。

後遺障害部分慰謝料(単位 万円)

東京の紛センを100とすると、大阪は95%、札幌・仙台・名古屋・広島・高松・福岡では、83%が実現されるに過ぎません。 こんなことが許されるの?
該当地域の弁護士先生は、「舐めるな!」 大声を上げなければなりません。