Q 12年前の事故で高次脳機能障害?

12年前の交通事故です。
知りえた日は2011年夏です。
外傷性認知症と診断され、そこから高次脳機能障害での手帳を取得しました。
弁護士に相談し損害賠償求めました。
事故の内容は、国道交差店内での自転車と自動車での接触事故です。
当方、父は自転車にて赤点滅信号を横断、普通自動車にはねられました。
県の事故相談担当弁護士に相談し、言われた通りカルテ等、あらゆるものを揃えました。
事故の際、父の治療費がどのように支払われたかは、息子ですが幼かったため分かりません。
分かることは、当方は自転車であり、自動車保険には加入していません。
相手車の物損は、火災保険のオプションである個人賠責保険で対応されています。

当時の傷病名は、急性硬膜下血腫、頭蓋骨陥没骨折、左目血栓症等であり、重篤なものです。

急性硬膜下血腫

急性硬膜下血腫

弁護士に相談したところ、まず時間的な問題を乗り越えられるかがポイントであり、人身の示談書の内容を検証する必要があると言われました。
資料の収集に動いたのですが、当方の保険では、事故状況報告書と物損の示談書が残されているのみで、相手の保険会社も保存期間が終了しており、事故発生を記録したPCデータのみが、残っている状況です。

頼みとしている弁護士も、示談書が残っていなければお手上げとのことでした。
そんなものでしょうか?
示談書がなければ、もう無理でしょうか?

これは、結論から申し上げると困難と思われます。
①「知り得た日は2011年夏です。」 と強調しておられるところから、民法166条の消滅時効、20年を、強く意識しておられると予想していますが、ご相談の弁護士も、「高次脳機能障害の後遺障害については、当時は知り得なかった損害であり、時効は成立していない。」 と考えておられたのではないかと推察しています。

さて、高次脳機能障害の後遺障害ですが、本格的な対応を開始したのは、2001年1月1日にNliro調査事務所の本部に高次脳機能障害委員会が設置されて以降です。
しかし、12年前の2000年では、高次脳機能障害は頭部外傷後の後遺障害として認知されており、事前認定でも、被害者請求でも、高次脳機能障害の申請で、等級が認定されていました。

本件では、赤点滅信号における自転車と自動車の衝突事故ですから、基本過失割合は、自転車に40%であり、被害者にとっては大きな過失ですが、比較では相手過失が大となります。
そして、急性硬膜下血腫、頭蓋骨陥没骨折、左眼血栓症の重篤な症状であり、間違いなく救命救急センターのICUに搬送され、長期の入院治療となっています。
症状固定時に、これを無視して示談締結とする保険屋さんがいるのか?

保険屋さん

それよりも、妥当な損害賠償を受けて示談が成立していることが予想されるのです。

保険屋さんは、保管期限を過ぎた書類は、個人情報保護法もあり、復元不可能に処分しています。
その示談書が、手元に残っていないのであれば、争いの火ぶたを切ることができません。

②最後のかすかな可能性は、現在症状を後遺障害診断書にまとめて、加害者の自賠責保険に対して弁護士委任による被害者請求で申請をすることです。

自賠責保険の時効は、症状固定日の翌日から2年で消滅します。
しかし、弁護士が、外傷性認知症と診断され、高次脳機能障害の手帳を取得した日を症状固定日と主張すれば、かなり無理筋ですが、自賠責保険は審査に入ります。

理屈上は、とっくに時効が成立しているのですが、自賠責保険の書類は永久保存です。
被害者請求により、当時の、自賠責保険の一件書類が検証できれば、後遺障害について、事前認定もしくは被害者請求が行われているかが判明します。

上記の内容であれば、当事務所でお引き受けしても構いません。
しかし、勝利が得られるかどうか、現時点では保証の限りではありません。
成功・失敗にかかわらず、着手金の請求は行いますので、ご理解ください。