(5)その他?
胸郭出口症候群= TOS 、低髄液圧症候群=脳脊髄液減少症= CSFH 等になります。

TOSは、牽引型と圧迫型の2種類があり、いずれも、過去には 12 級 13 号が認定されていました。
ところが、2005、2006年、当方の TOS キャンペーンでは、血管造影撮影で圧迫を立証したほぼ 200 名の被害者が後遺障害の被害者請求を行いましたが、恣意的な認定なのか、全員が TOS は無視され、ムチウチで14級もしくは非該当とされています。
ところが、裁判では、直近の判例でも、12級13号が認定されています。
血管造影撮影で圧迫所見が立証されていれば、訴訟で12級13号になると覚えてください。

CSFH は、2007年1月、日本神経外傷学会で以下の3つの診断基準が発表されました。

①起立性頭痛または体位による症状の変化があること、
②造影MRIでびまん性硬膜肥厚が増強していること、
③外傷後30日以内に発症し、外傷以外の原因が否定的であること、

そして、この診断基準に該当するCSFHはほとんど存在しないことを覚えておいてください。
私の経験則では、神経根症状+バレ・リュー症候群、このケースが最も多いのです。

2013年1月、札幌の相談会では、CSFH、脳脊髄液減少症が大流行していました。
首都圏では、CSFHは明らかな下火で、この症状の大半は、MTBI、軽度脳損傷に移行しています。
傷病名に、はやり、すたりがある? こうなると、サイエンスではありません。
これを理由に、当方では、脳脊髄液減少症、MTBIに対応していません。

★理解のポイント
さて、5つの類型の説明を完了しました。
外傷性頚腰部症候群をまとめます。

□人身事故の届出を完了しているか?
現に症状があって、通院しているのであれば、人身事故としておかなければなりません。
物損事故のまま? 治療は3カ月で打ち切られます。

□受傷から3カ月程度で改善が得られる症状なのか?
頚部痛や運動制限の症状に限られるのであれば、程なく3カ月前後で改善します。
真面目に通院しても、後遺障害が認定されることはありません。
後遺症を諦めさせるのも、弁護士の仕事です。

□後遺障害が予想される症状なのか?
□整骨院、鍼灸院の施術に偏重していないか?
上肢・手指、下肢・足指に重さ感、だるさ感、痺れの症状が認められるときは、神経症状として後遺障害が認定される可能性があります。
少なくとも6カ月間は、真面目にリハビリ治療を続けなくてはなりません。
整骨院・鍼灸院の施術は、医療類似行為であり、後遺障害の審査では治療実績となりません。
施術は中止とするように指導しなければなりません。

□耳鳴りで、耳鼻科を受診しているか?
事故直後からの耳鳴りで、30dB以上の難聴が認められるときは、12級相当が認定されています。
まず、耳鼻科を受診、オージオグラム検査を受けて、難聴を立証しなければなりません。
30dB以上の難聴が認められないときは、バレ・リュー症候群です。
このときは、ペインクリニックの通院を続け、改善を目指します。

バレ・リュー症候群で、星状神経節ブロックや硬膜外ブロックを受けても、鎮痛効果が持続しないときは、その医師が経験数に乏しく、おっかなびっくりの治療で、ブロックが神経根に届いていないことが大半です。 実験台や練習台はご免ですから、治療先の変更を指示してください。

□現在の治療の内容に問題はないか?
ムチウチの主たる治療先は、整形外科・開業医です。
リハビリ設備が充実し、多くの理学療法士、柔道整復師を抱えている整形外科・開業医であれば、申し分ありません。

□治療先に問題はないか?
お爺ちゃん先生と看護師が1人、リハビリは頚椎の牽引が中心で、患者さんが少ない?
こんな整形外科は、前世紀の遺物ですから、退散するに限ります。
この整形外科で漫然治療を続けても、後遺障害の獲得はありません。

治療先

□XP、MRIのチェック、画像所見が得られているか?
受傷から2カ月以内に頚腰部のMRI撮影を受けておくことが理想です。
神経根の浮腫で、外傷性を立証することが予想されるからです。
早期のMRI撮影を指示してください。

□休業損害の発生と、休業の見通し?
ムチウチで休業損害が認められるのは、常識的には、受傷から3カ月です。
弁護士は、被害者の甘えを排除、早期の就労復帰を指導しなければなりません。

□症状固定の時期は?
ムチウチなら、受傷から6カ月を経過した時点です。
頭痛でロキソニンを6カ月連続で服用した人はいません。
6カ月の治療を続け、改善が得られなければ、症状は固定していると判断すべきです。
あと、1、2カ月のリハビリ通院で劇的に改善する? これは夢物語です。

□過去にムチウチで等級認定を受けていないか?
加重障害で非該当とされないためにも、これは確認しておく必要があります。

□脳脊髄液減少症、MTBI?
医学としてのサイエンスが確立されておらず、まともに取り合わないことです。

涯を棒に振った被害者

最後に、イロイロあっても、外傷性頚部症候群で生涯を棒に振った被害者は 1 人としていません。
症状にあった適切な治療を早期に開始すれば、アッケラカンと社会復帰が可能です。