(4)肩鎖関節の脱臼骨折

肩鎖関節の脱臼骨折

肩鎖関節は鎖骨と肩甲骨の間に存在する関節です。
この関節の安定性は肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯、三角筋・僧帽筋により保たれています。
肩鎖関節脱臼は、肩鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯が断裂し、肩峰が下に脱臼した状態を示します。
肩鎖関節の損傷(脱臼)は以下の3型に分類されます。
①GradeⅠ :靱帯の軽度の損傷のみで捻挫と同様、明らかな関節のズレはないもの、
②GradeⅡ 肩鎖靱帯の損傷があり、亜脱臼位 を呈するもの、
③GradeⅢ :肩鎖靱帯損傷に烏口鎖骨靱帯の損傷が加わり、完全脱臼位を呈するもの、

肩鎖関節脱臼GradeⅢ_xp

脱臼は単純XPで明らかとなりますが、ウェイトをかけてのストレスXPでより明瞭となります。
受傷時は肩鎖関節部の疼痛や運動時痛、鎖骨遠位端の上方突出と、圧迫にて動揺性が出現します。
陳旧化したときは、肩の挙上に際し、疼痛や脱力感、違和感を訴えますが、脱臼位でもさほど疼痛や機能障害がなく、活動できる症例も経験しています。

GradeⅠ、Ⅱまでは、保存療法が原則で、2~3週間の三角布や下方に圧迫固定を行います。
肩鎖靭帯の断裂は認められるが烏口鎖骨靭帯に断裂の認められないものを亜脱臼と呼び、3~5週間のロバートジョーンズ絆創膏固定、また、靱帯の損傷が小さいものは、脱臼肢を三角巾で吊るし、3~5週間程度の局所安静を行えば、多くは後遺障害を残すことなく改善します。

GradeⅢ、両靭帯の完全断裂を伴う脱臼となると、関節部をキルシュナー鋼線やネイルで固定する観血的手術を行います。

★理解のポイント
□GradeⅠであれば、後遺障害を残すことなく治癒します。

□経験則では、GradeⅡ、亜脱臼以上は、受傷後6ヵ月で症状固定とすれば、12級6号の後遺障害等級が認定されています。
ダラダラ漫然リハビリを続けてはなりません。

□GradeⅡⅢで保存療法が選択されたときは、肩鎖関節の変形にも注目しなければなりません。
裸体で変形が確認されたときは、12級5号が認定されます。