第4回 実務講座 事前学習 3

(2)骨盤骨折

本日は、骨盤内臓器の副損傷、恥骨骨折に伴う尿道損傷を取り上げます。

排尿障害には、1日の尿量が2.5ℓ以上の多尿、昼間で8回以上、夜間で2回以上の頻尿、尿失禁、尿閉、1日に400mℓ未満の乏尿、1日に100mℓ未満の無尿、残尿感があります。

尿は、背中に位置する腎臓で作られています。
腎臓は、左右に1つずつあり、両方の腎臓で1日に約1~1.5ℓの尿を作り出しています。
腎臓で作られた尿は、尿管という管を通って下腹部にある膀胱に溜まります。

骨盤内臓器

膀胱は普通、約200~300ccを蓄尿することができ、膀胱に尿が溜まり、トイレにいくと、尿は膀胱から尿道を通って身体の外に出ます。回数は、正常な人では、昼間は7回、夜間は1回とされています。
尿を膀胱に溜める働きを蓄尿機能、尿を身体の外に出す働きを排尿機能と言います。
この蓄尿機能と排尿機能がうまく機能しないとき、排尿障害が出現します。

膀胱

膀胱は、尿を押し出すポンプの役目を果たし、尿道は水道で言えば蛇口の役割を果たしています。

排尿中枢は、大きくは脳に存在する高位中枢と仙髄に存在する下位中枢とに分かれます。
通常は、下位排尿中枢によって膀胱、尿道括約筋は尿を貯留するように収縮しています。
尿が貯留するとそれは尿意として知覚され、下位排尿中枢、高位排尿中枢と上行し、高位排尿中枢は排尿を抑制するように指令をしているが、随意的にその指令を解除することで排尿は行われています。高位中枢、下位中枢、膀胱、尿道括約筋、それらを結ぶ神経路のなどの障害により排尿障害を発症するのですが、ここでは、膀胱、尿道括約筋の外傷による排尿障害を説明します。

排尿障害を残すもの?
排尿障害を残すもの

頻尿を残すもの?
頻尿を残すもの

尿失禁を残すもの?
尿失禁を残すもの

排尿障害の立証方法?
ウロダイナミクス検査

ウロダイナミクス検査の前に、排尿障害の原因となる膀胱や尿道の器質的損傷は、術時のカルテ、MRI検査、骨盤骨折後の骨癒合は3DCTで立証しなければなりません。

★理解のポイント
□骨盤骨折でインポテンツ、排尿障害は、一般的には思い浮かびません。
ここでは、骨盤骨折は重篤な症状が多いことを認識してください。

□これらは、画像を読み込む力、立証の方法、治療先を熟知していないと、そもそも対応できません。
大きな損害賠償となりますが、それだけに、日頃からの学習が必要です。

□2013年、神奈川県の被害者に、ムチウチ由来の排尿障害で、「頚部神経症状がもたらした排尿筋括約筋協調不全」 の診断で11級10号を獲得しています。
ムチウチでも、症状が一貫しており、立証が完璧であれば、排尿障害でも等級が認定されています。
記憶にとどめておいてください。