(4)右脛骨プラトー骨折に合併する前十字靱帯損傷?

前十字靱帯
http://www.fff.or.jp/seikei/sportsmedical_center/knee01.html
上記のHPからイラストをお借りしました。

上のイラストは、右脛骨プラトーの断面図ですが、脛骨上面部は軟骨で覆われ、さらに内外側半月板で保護されています。そして、中央部には前十字と後十字靱帯が走行しているのが確認できます。
プラトー骨折とは、軟骨下の脛骨上面部の骨折であり、この骨折に伴い、半月板以外にも前十字靱帯損傷を合併することは十分に予想されるのです。

相談者の傷病名にプラトー骨折を認めたときは、
□半月板損傷で膝関節に動作制の疼痛を訴えているか? 半月板の損傷
□膝関節の動揺性、前方引き出しの症状はないか? 前十字靱帯損傷
専門家を標榜するのであれば、こんな反応を示さなければなりません。
「プラトーって、どこの骨折?」 こんな反応では、相談の被害者は逃げ出してしまうのです。

①ラックマンテスト Lachman test

ックマンテスト Lachman test

膝を15~20°屈曲させ、前方に引き出します。
前十字靭帯断裂のときは、脛骨が異常に前方に引き出されます。
上記のようなテストで大まかな診断がつきますが、損傷の程度を知るために単純XP撮影、CTスキャン、関節造影、MRI等が実施されます。 MRIがとても有効です。

交通事故110番の無料相談会では、実際にこのテストを行って動揺性を確認しています。

②ストレスXP撮影
脛骨を前方に引き出し、ストレスをかけてXP撮影を行います。
断裂がある場合、脛骨が前方に引き出されて写ります。
後遺障害診断書には、○mmの前方引き出しを認めると記載をお願いします。

ストレスXP撮影

http://www.showa-u.ac.jp/SUHR/department/office/xray/tokusyoku.html
上記のHPからイラストをお借りしました。

後遺障害診断では、ストレスXP撮影を行って、動揺性の左右差を立証しなければなりません。

③関節鏡
関節鏡で直接、半月板損傷を確認することが可能です。

受傷直後は膝を固定し患部を氷水でアイシングします。
アイシングは膝全体に3~4日間続けます。
一度断裂した前十字靭帯は自然につながることはありません。
軽症例に対しては、大腿四頭筋やハムストリング筋などを強化する、保存的治療をおこないます。

前方引き出しテストで、すねが太腿より前に以上に引き出される状態では、膝崩れを頻発し半月板損傷を引き起こします。したがって、手術により靭帯の再建をおこないます。

靭帯の再腱術は受傷後1ヵ月程度の安静と可動域訓練の後に半腱様筋腱、薄筋腱、膝蓋腱の中央3分の1を採取して前十字靭帯を繋ぎ再建します。
再腱後は8~12ヵ月のリハビリが必要です。
その他では、痛みや腫れがひいた受傷4~6週間後に、関節鏡下において自家靭帯で靭帯再建術を行ないます。

ストレスXP撮影で10㎜以上の動揺性が認められる場合は、手術の対象となりますが、極めて高度な技術を必要とします。
膝関節外来が設置、膝の専門医のいる医大系の総合病院を選択しなければなりません。

経験則では、医師に手術の自信がなく、保存療法に終始した被害者の例が大半です。
この場合、膝関節に動揺性が認められ、日常や仕事上に大きな支障が認められる状況です。
通常歩行に常時、装具の必要性のある場合は、1関節の用廃で8級7号が認定されます。

受傷からの時間が経過している場合は、必ず手術で改善できる保証がありません。
したがって、このケースでは、後遺障害等級の獲得を先行、その後に、手術を選択します。

常時、固定装具を装着する必要性のないものは、10級11号が、重激な労働に限って、固定装具の必要性のあるものは、12級7号が認定されます。

後遺障害の立証には、必ずストレスXP撮影が必要となります。
ストレス撮影で動揺が立証されない限り、12級以上の認定はなされないと、承知しておくことです。