(4)右脛骨プラトー骨折に合併する膝蓋骨々折?

膝関節の仕組みと構造のところで、膝関節は、大腿骨、脛骨そして大腿四頭筋、膝蓋腱に支えられた膝蓋骨の3つの骨で構成されていると説明しました。
本日は、この膝蓋骨々折を説明します。

膝蓋骨とは、膝のお皿のことです。
骨モデルでは、膝蓋腱の裏側に付着して、大腿骨顆部と接触しています。

膝蓋骨

交通事故で、車のバンパーやダッシュボードに膝部を打ちつけることで発症していますが、ここでは、二輪車を運転中の出合い頭衝突で、吹っ飛ばされ、膝を地面に打ちつけた重症例です。

膝蓋骨々折

膝部の打撲に伴って縦骨折・粉砕骨折となることが多いのですが、転位のないものはギプスやブレースによって膝伸転位固定を4~6週間実施すれば、完治します。

Zuggurtung法

Zuggurtung法

 転位のある骨折はスクリュー固定法、引き寄せ締結法の手術が実施されます。
キルシュナー鋼線などで人工的に骨を引き寄せる手術をZuggurtung法と呼んでいます。

プラトー骨折に伴う膝蓋骨々折は、多くは粉砕骨折です。

数年前、東映の照明技師である妻の兄も、撮影中に高所のセットから転落し、入院しています。
幸い、プラトー骨折ではなく、右膝蓋骨粉砕骨折の傷病名でした。
「粉砕骨折、コナゴナ?」 医師から伝えられた兄は、パニック状態、気絶寸前でした。
医学では、3つ以上に骨折していれば、すべて粉砕骨折と呼びます。
粉砕骨折といっても、コナゴナになるのではありません。
キルシュナー鋼線で骨折部を引き寄せ、8の字締結で固定とし、2カ月で現場に復帰しました。
膝蓋骨々折では、膝関節面の正確な整復がなされていれば、一般的には、後遺障害を残しません。

本件はプラトー骨折の合併症状を説明しています。
膝蓋骨粉砕骨折であれば、どの被害者も大きな後遺障害を残すのではないかと心配しています。
ところが、この部位では、膝関節面の正確な整復がなされていれば後遺障害を残しません。
交通事故の専門家であれば、早期に、それを指摘、甘い期待を排除しておかなければなりません。