踵骨骨折?

踵骨

踵骨、ショウコツと読みますが、カカトの骨で、直接地面に接して体重を支える役目です。
踵骨骨折は高所からの落下や飛び降りで、カカトに衝撃が加わったときに発症します。
交通事故は、バイクVS自動車で、バイクの運転者に多発しています。

踵骨2

http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/12shoukotukossetu.html
上記のHPからイラストを拝借しています。

踵骨は硬い皮質骨の薄い殻の中に、スポンジのように軟らかい海綿骨が詰まっており、例えて言えば、和菓子のモナカのような構造となっています。
落下の衝撃で、モナカを踏み潰すように骨折すると、踵骨上面の関節面が落ち込み、高さが減って幅が広がります。結果、踵骨の上に載っている距骨との関節がずれ、踵が幅広く高さが低くなります。

踵骨の大部分は海綿骨で血行がよいので骨癒合は良好ですが、その分、骨吸収も起こりやすく、骨萎縮を残すと痛みが続きやすい骨折です。

踵骨骨折は、関節面がずれているかどうかで治療が大きく違ってきます。
関節面の骨折でないときは、そのままギプスで固定すれば治ります。

関節面が骨折し、ズレているときは、骨折の形と骨折線の数、ズレの程度によって、
①外側から手で整復する徒手整復するもの、
②スクリューを外側から刺して整復するもの、
③手術で開けてプレート固定をしなければならないもの、これらの3つに分かれます。

腫骨骨折

第12胸椎の圧迫骨折+腫骨骨折を合併した被害者から相談を受けたことがあります。
身体に対して長軸方向に衝撃を受け、踵や椎骨にそのエネルギーが集中すると腫骨や脊椎圧迫骨折を生じます。経験則でも、腫骨骨折の10%ほどの症例に、脊椎圧迫骨折の合併が見られています。

上記イラストの腫骨骨折は関節内骨折ではないので、異常可動は起こりません。
踵に痛みが生じ、直立し、踵に体重がかかった際に増強します。
この痛みは、骨折の治療が終わった後も、残ることがあります。

腫骨骨折2

通常骨折では、単純XP撮影は、正面像、左右両方の側面像、ケースによっては、骨折部位を明らかにする目的で体位を変換して撮影をおこないますが、腫骨骨折の場合、側面像、軸射像の他に、側面20°上方および30°後方から単純XP撮影をおこなうAnthonsen法=アントンセン法にて診断をおこないます。

Anthonsen法は、診断において重要な意味をもちます。 Anthonsen法にて前関節面の頂点と後関節面を結んだ直線腫骨隆起を結んだ直線が交わる角度をベーラー角と言い、そのベーラー角が、正常20~40°より小さくなっていたら、腫骨骨折と診断されています。

距骨と腫骨が接している面に骨折がないときは、ギプス固定にて治療をおこないます。

腫骨骨折3

トップのイラスト、骨折部位の形状からカモノハシ骨折と呼びますが、アキレス腱外側部を小切開し、尖足位で整復の後、海綿骨ネジで固定、4週のギプス固定を行います。
骨折が後距踵関節におよぶ②は、整復により角度を調整しスクリューで強力に内固定をします。

骨折部の骨癒合は良好ですが、ズディック骨萎縮・ベーラー角度の減少による外傷性偏平足・距踵関節面の変形による不適合・内外果の周囲の腱および軟部組織の瘢痕性癒着等から、長期にわたり疼痛と浮腫を訴え歩行に支障をきたすことが多く、機能的な予後は不良です。

距骨が腫骨にめり込み、腫骨が押しつぶされたりしたときは、折れた骨片に釘を刺し、持ち上げた状態でギブス固定をおこなうWesthues法=ウェスチウス法と言う、や潰れた骨に骨移植を行う観血的治療をおこないます。

腫骨骨折4

長く痛みのとれないものに対しては上図の距骨下関節の固定術が実施されますが、効果は極めて不確実です。 ギプス除去後は、足底板の装用による歩行となります。

足底板