距骨骨折?

距骨

距骨、キョコツと読みます。
距骨は、巨の文字と足の文字が入っています。何か、足の大きな骨では? さて、距骨とは、踵骨と下腿の脛骨に挟まれている骨で、足関節では足首の下に位置します。

解剖学的な位置からも想像できるように、踵骨と脛骨に挟まれて存在しているので、背屈状態で高いところから飛び降りた際に、脛骨と踵骨に圧迫され、距骨骨折となるのです。
交通事故では、バイクを運転中が、圧倒的です。

激痛と腫脹、特に距骨は、脛骨と腫骨に挟まれているので、立つと、2つの骨から圧迫を受けて、さらなる激痛が走り、まず、立つことはできません。

単純XP撮影で距骨に骨折が認められ、確定診断となります。

距骨表面の80%は関節軟骨で覆われているため、骨折で血行障害となり、壊死・偽関節・関節症変化による機能障害を残すことが多く、重症例をなんども経験しています。

距骨骨折

TypeⅠ、Ⅱ
壊死も考えにくく底屈位置で整復後、平均的には約10週間のギプス固定で改善に向かいます。
骨壊死の可能性は、0~13%とされています。

距骨骨折2

TypeⅢ、Ⅳ
距骨下関節の脱臼を伴っており、重傷です。
Ⅲは壊死の可能性が考えられ、Ⅳになると壊死は決定的です。
69~100%の割合で壊死が発生しています。
いずれも整復固定術により強力に内固定を行い、術後、ギプス固定⇒PTB装具となります。

PTB装具

受傷後6週間を経過すればMRI・骨シンチグラフィー検査で壊死の診断が可能です。
Hawkins sign=軟骨下骨萎縮が認められれば、血液循環が保たれていると考えられます。
徐々に部分荷重を開始し、骨萎縮像が消失したら全荷重とします。

骨萎縮像が認められないときは、PTB装具で厳重な免荷と自動運動を実施、骨萎縮像の出現を待ちます。 このケースでは全荷重までに2~3年を要することも稀ではありません。

下腿骨の骨折などで使用される装具であるPTB装具により、膝蓋骨で体重を支持しますので、足は宙に浮いている状態です。
両方が同じ高さでないと歩行ができません。
よって健足にも補高が付けられます。

さて、後遺障害の立証です。
足関節の可動域制限は、骨折後の転位による不整癒合や骨萎縮を原因としています。
骨萎縮は、骨シンチグラフィー検査で立証します。

次は、MRIによる距骨周辺と、3DCTにより距骨そのものをチェックします。

これらにより、距骨骨折後の不整癒合は、素人であっても、目に見える形で立証できるのです。
骨折後の骨萎縮と不整癒合の画像所見が後遺障害診断書に記載されていることを前提として、背屈・底屈の可動域が検証され、2分の1以下であれば、10級11号が認定されるのです。

多くは、2分の1以下だから10級11号と、角度から入るのですが、それは間違っています。
2分の1以下に制限されている原因を、最初に立証しなければならないのです。

足関節に可動域制限が認められないときでも、MRI、3DCTで変形癒合を立証しておけば、足関節の動作痛で14級9号、12級13号が認定される可能性を残します。

立証こそ全て、「立証せざるもの後遺障害にあらず!」 これは、爺さん会のコンセプトなのです。