Degloving injury、デグロービング損傷、皮膚剥奪損傷?

デグロービング損傷、皮膚剥奪損傷

Deとは剥離する、Glovingとは手袋を意味しています。
外傷により皮膚が欠損するのですが、欠損が、皮下組織・血管・神経・筋肉や腱・骨・関節にまでおよぶことがあり、まるで手袋を脱ぐように皮膚組織が剥奪してしまうので、デグロービング損傷と呼ばれています。

交通事故では、バイクVS自動車の衝突で、バイクの運転者に多発しています。
自動車のバンパーが足関節を直撃、その衝撃で足関節果部の脱臼骨折となり、転倒後、自動車のタイヤで踏みつけられるなどしてデグロービング損傷となるのです。

治療としては、皮弁による皮膚および軟部組織の再建を含む段階的再建手術が必要となります。
私の経験では、デグロービング損傷が生じた四肢の機能を温存するために、そのまま戻して縫合しても壊死に陥りやすい剥脱された皮膚を脂肪除去し、植皮再建材料として利用することで初期再建が実施されています。

原則として初回治療時に剥脱された皮膚の血流を確認し、皮膚の血流が不良と思われたときは、剥脱皮膚を利用した植皮再建で創閉鎖を完了させて早期からリハビリテーションが実施されます。
その後,必要に応じて二次再建が実施されます。

脱臼を伴う足関節果部骨折では、足関節の機能障害として10級11号、12級7号が期待されます。
さらにデグロービング損傷を伴うときは、それらの機能障害に加えて、腓骨神経麻痺や下肢の露出面の醜状障害で12級相当も想定されます。
腓骨神経麻痺では、足関節の自動運動は不能であるが、足指の背屈運動は可能で8級7号、足関節の自動運動は、制限を残しつつ可能であるが、足指の背屈が自動運動で全く不能も経験しています。
このときは、9級15号が認定されます。

デグロービング損傷では、平均的には、症状固定となるまでに1年程度の期間が必要です。
この間に、複数回の皮膚再建術が実施されるからです。
この治療の長期化で、10級11号であった可動域が2分の1以上、4分の3以下となり、12級7号に格下げされることもあります。
担当していても、悩みが深いのです。