第4回 実務講座 事前学習 5
右足関節果部骨折?

足関節は脛骨・腓骨・距骨の3つの骨で構成されています。
足関節の内果と後果は、脛骨の遠位部にあたり、足関節外果は腓骨遠位部にあたります。

足関節

足関節果部は、腓骨の一部である外果と脛骨の一部である内果、脛骨遠位端前側の内果と脛骨遠位端後側の後果のことで、俗に、梅干しとか、内、外くるぶしと呼ばれている部位で、足首の関節を形成している脛骨、腓骨の遠位端部です。

本骨折は経験則上、脱臼を伴うことが多く、足部変形と足関節の機能障害を多く残します。
私はこの傷病名では、即10級11号を連想します。
10級11号が連想されるのは、本骨折は脛腓靭帯断裂や距骨の脱臼、亜脱臼を合併することが通常であるからです。

足関節を形成している骨は、足関節の上にある脛骨・腓骨の遠位端と脛骨・腓骨の遠位端と接触している距骨、脛骨・腓骨と靭帯でつながっている踵骨となっています。
解剖学的には、足関節は脛骨・腓骨・距骨の3つの骨で構成されていますが、この傷病名では、私は踵骨を含めて足関節ととらえています。

足関節の運動は、つま先を上げる背屈、つま先を下げる底屈、内側につま先を向ける内転、外側につま先を向ける外転、足を内側に捻る回内、足を外側に捻る回外の4運動です。

通常、自分の足の裏を見る場合、内転・回外・底屈の動きを一緒にさせる必要があります。
実際にトライして、動きを学習してください。

内転・回外・底屈の3つの動きを1つにしたときは内返し、逆に、外転・回内・背屈の3つの動きを1つにしたときは、外返しと呼んでいます。

足関節

内側・外側への衝撃により足首を骨折したときは、腓骨の下端と脛骨の下端が骨折し、三角靭帯や踵腓靭帯も断裂して、距骨が異常に内転・外転したりします。

右足関節果部骨折xp

距骨の動きや受傷時の状況、単純XP撮影で、確定診断を行います。

骨折を放置すると偽関節になりやすく、多くはギプス固定が選択されています。
転位の大きいものは、他の骨折と同じく観血的にプレートやキルシュナー鋼線等で固定します。

転位のないものは4~6週のギプス固定でOKですが、たとえ1㎜程度の距骨の外側へのズレでも荷重面が変わり関節軟骨が磨耗するところから、麻酔下に整復固定を行い、ギプスをタイトに巻いて8~10週間の固定が実施されています。

右足関節

整復不能例は海綿骨ネジ、引き寄せ締結法、プレート固定の適用となります。
三果骨折、コットン骨折後の足関節の可動域の予後は不良です。
難治性疼痛症候群、RSDを惹起しやすい部位でもあります。

右足関節

①完璧な整復
②強固な固定
③早期からの理学療法の開始
これらが、絶対に必要です。
関節面の粉砕骨折では先に説明したイリザロフ式創外固定器により大きな治療効果が得られます。

イリザロフ式創外固定器

上記の3点がおざなりにされると、
①腓骨短縮
②内果変形治癒
③距骨脱臼遺残
④靭帯機能不全
等々の後遺障害を残すことになります。
主治医はこの場合、どうして変形したかを説明することなく、変形治癒を宣告するのです。
変形は確認ができますが、それでも治癒は、どうしても理解することができません。
技術の伴わない医師の治療は、変形治癒ではなく、ヘタ打ち変形ではないでしょうか?