(3)記憶障害

Q 昨夜、夕食は何を食べましたか?
事故以来、物忘れがひどくなっていませんか?

高次脳機能障害患者の80%に記憶障害があると報告されています。
それは昔のことが思い出せない逆向性健忘と新しいことが覚えられない前向性健忘に大別されます。

逆向性健忘とは記憶喪失の一種です。
前向性健忘とは記銘力、そもそも物事を覚える能力の低下です。
さらに、直前のことも覚えることができない、ワーキングメモリーの喪失も少なくありません。

Q 家族全員の名前、主治医の先生の名前、飼っているペットの名前が言えますか?

すらすら言えて当然の質問です。
少し考え込んだり、間違ったりする? これは単なる度忘れなのか、家族の観察・判断を聞きます。

高次脳機能障害-記憶障害

Q 病院への通院日や外出する日を約束しても、単に、忘れていたではなく、まったく約束自体を覚えていないことがありますか?

口頭での約束、これらが単なるうっかり忘れなのか、記憶にとどめていないのか。
また1時間前の会話の内容をまったく覚えておらず同じ質問をしてくる。
このような症状について同じく家族から具体的なエピソードを聞きます。

Q 近隣でも迷子になる、主治医の顔、もしくは新しく会った人の顔を覚えられない等がありますか?

記憶障害は言葉や文章だけではなく、視覚にも表れます。
道を覚えられないことは、地誌的障害と言われています。
また病院内で一回、廊下を曲がると自分の位置に混乱をきたす空間認識能力の低下もよくある兆候です。
また顔を覚えるのが苦手のレベルでは済まない症状は相貌失認と言われています。

高次脳機能障害-記憶障害

このように一口に記憶障害と言っても種類、傾向が分化しています。

高次脳機能障害-記憶障害

言語、行動、視覚などあらゆる角度から観察する必要があります。
これは後の神経心理学検査の計画をする際、必須の情報となります。