(4)視覚認知機能、失認、失行
Q 歩いていてよく左肩をぶつけませんか?

半側空間無視

左目が見えないのではなく、左目に映る映像を認識できない状態です。
これを半側空間無視と呼んでいます。
左半側空間無視では、圧倒的に左側に問題が生じます。
通常、人は眼に映った情報を脳で解析しています。
しかし、脳の解析システムが故障することにより、左眼に映るものが認識されない状況に陥るのです。したがって、被害者本人には、見えていないことすら自覚できません。
コブクロを例にすると、ギター奏者しか見えない状態となるのです。

こんな兆候がないか、家族から聞き取る必要があります。

□食卓におかずを並べ、食事を始めても、右半分のお皿しか箸をつけない?
□片側から話しかけられても反応せず、片側に人が立っていても、その存在に気がつかない?
□家の絵を描かせると、片側半分だけしか描かない?

半側空間無視

□リンゴをピックアップするように指示をしても、中央から左側のリンゴを見落とす?

Q 右手を出してと言われても、左手を出す、よく左右を間違えませんか?
左右の側頭葉のいずれかが損傷した被害者で数例、経験しています。
左右の区別が定かではなくなり、よく右と左を間違えます。
これは、左右失認と呼ばれています。
些細なことと思われますが、この障害により、様々な場面で判断能力が低下します。

治療先で頻繁に通院している病院で、トイレに出かけます。
トイレから出て、1回、廊下を曲がると、元の場所に戻って来ることができません。
右側頭葉の障害では、自分の位置に混乱をきたす空間認識能力の低下がよく起こります。

Q 主治医の顔、もしくは新しく会った人の顔を覚えられないなどありますか?

顔を覚えことが苦手のレベルでは済まない症状のことを相貌失認と呼ばれています。
相貌失認では、人の区別だけではなく、笑っているのか、怒っているのか等、表情を読み取る観察力も失われることがあります。

Q 箸やスプーン、歯ブラシが使えなくなる、いつも使っていた電気器具の使用法を忘れてしまった?

日常の動作がスムーズでない、今まで使っていた道具が使えなくなる障害を失行と呼びます。
□着衣の動作がぎこちない、
□スラックスを逆にはこうとする? さらに、そのことに気づかない?
□愛用していたカメラで写真を撮ることができない?

ご家族から色々エピソードを聞き出します。