(7)味覚・嗅覚・めまい・ふらつき

 ☐味がついているのに大量に醤油をかける?
☐事故後、嫌いで食べられなかった魚介類が食べられるようになった?
☐足元にガソリンがこぼれているのに、ライターで着火してタバコを吸おうとする?
☐腐った果物でも、平気で食べ続ける? 

これらは、実際に担当した被害者に見られた症状です。
ガソリンの強烈な臭いを感じない、腐っている食物の臭いや味が理解できない?
大変危険な障害と言えます。
味覚と臭覚の異常は、多数例で併発しています。

味覚・嗅覚は、前頭葉に損傷を受けたときに失われる感覚です。
また、頭蓋底骨折から嗅覚、味覚、視覚、聴覚に障害を起こすこともあります。
機械で例えるなら、脳本体の損傷では、感覚を認識する回路の故障と言えます。
神経損傷では、神経伝達が絶たれたことを原因とします。
つまり、ケーブルの断線に該当します。

高次脳機能障害の被害者で、これらを多数経験しています。
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感が正常か、すべてチェックする必要があります。
該当する障害について眼科、耳鼻咽喉科、神経科にて受診、検査を受けることになります。
回路の故障かケーブルの断線か、原因の特定は脳外科ですが、臭いがしない、味がわからないといった障害の有無、程度の検査と立証は、それぞれの専門科になります。

☐まっすぐ歩けず、蛇行している?

脳障害疾患

ジョーは、ボクサー特有の外傷性脳障害疾患、パンチ・ランカーで蛇行歩行となります。

☐めまいを訴える。なんでもないところで転倒する?
☐頭痛に悩まされている?

脳幹出血の被害者でめまい・ふらつき等、運動機能の障害となった例を経験しています。
また後頭部、小脳の損傷では平衡感覚の喪失、運動神経の低下が現れます。
頭痛は損傷の部位に関わらず、多くの高次脳機能障害の被害者にみられる自覚症状です。

ちなみに等級認定では、記憶障害や注意機能障害の評価にこれらの症状を含めて総合的に等級判断するときと、嗅覚・味覚障害、めまい・ふらつきなどを12級相当として高次脳機能障害等級に併合するときがあります。

これは前述のとおり、脳の損傷の一環か、別部位の受傷かで併合適用の判断となります。
実際問題として、併合か否かは、総合的に症状の程度から判断していると考えています。