3/1~2の土日、「第4回 法律家のための交通事故 実務講座」 を東京大手町で開催しました。
今回のテーマは、「実戦力を身につける!」 これが今回のテーマです。
研修内容の一部を報告しておきます。

(1)外傷性頚部症候群
ロールプレイ、被害者の後遺障害は非該当、14級9号それとも12級13号?
これまでのスクール型、座学研修と違い、弁護士先生には、ロールプレイに参加いただき、30分の模擬交通事故相談会を経験していただきました。

交通事故 実務講座

交通事故外傷の最大勢力は、なんと言ってもムチウチです。
被害者ファイルを参考にしつつ、質問を繰り返し、問題点を明らかにしていきます。
被害者役のチーム110が提出したMRIのCDもチェックしつつ、より深く探っていくのです。
傍聴の弁護士先生は、やりとりを聴きながら、被害者相談カルテを打ち込んでいきます。

このロールプレイの目的は、
①非該当か?
②14級9号は確実か?
③12級13号の可能性は?
上記の3つを確実に予測することです。

これより先に、参加の弁護士先生の左腕、上腕三頭筋、上腕二頭筋、腕橈骨筋には、油性の赤マジックで、深部腱反射のポイントをマークしました。
それぞれ隣り合う先生の3点を打腱器で叩き、深部腱反射の測定法をマスターしています。

これまで多くの法律事務所は、「等級が取れてから、また来て?」 で、依頼者を追い返してきました。
今後、この手の法律事務所に被害者が戻ってくることはありません。
交通事故の専門家を名乗る以上、等級の確実な予測と、そこに至るまでの初期対応を万全としなければならないのです。

①非該当なのか、14級9号なのか?

□新車を購入して1年未満で修理費が150万円、こんな車に乗りたくない、新車にならないか?
□全損で現価が30万円、でも、この金額では同程度の中古車すら購入できない?
ありきたりの物損から始まり、
□過失割合に納得がいかない?
□治療が短期間で打ち切られるとの噂を聞くが、いつまで治療を続けられるのか?
□休業損害は、毎月、給料日に振り込んでほしい?
□この症状は、治療で治るのか?
□治らないとき、後遺障害が認められるのか?
□認められるとして、何級になるのか?
□等級が認定されたら、賠償額はいくらになるのか?
□賠償金は、いつ頃入金されるのか?
□本件の交渉を弁護士さんにお願いすれば、どれ位の費用になるのか?
これらが被害者の関心事です。

これに対して、相談を受ける弁護士の先生は、
□人身事故の届出を完了しているか?
□受傷から3カ月程度で改善が得られる症状なのか、神経症状が認められるのか?
□後遺障害が予想される症状なのか、であるなら症状固定の時期は?
□耳鳴りで、耳鼻科を受診しているか?
□現在の治療の内容に問題はないか?
□XP、MRIのチェック、画像所見が得られているか?
□治療先に問題はないか?
□整骨院、鍼灸院の施術に偏重していないか?
□休業損害の発生と、休業の見通し?
□過去にムチウチで等級認定を受けていないか?
先の質問に回答をしながら、これらの10のチェックポイントをクリアーしなければならないのです。
それも、30分以内で仕込まなければなりません。

聴き取りの方法もシッカリとあります。
Q 手指が痺れますか? →A いえ、痺れはありません。
こんな簡単なやりとりではなく、左右いずれかの頚部~肩、上肢そして手指に重さ感、だるさ感、軽いしびれ感はありませんか?と、丁寧に確認しなければなりません。

神経根症状

これは被害者自身でスパーリングテストを行い、神経根症状を誘発する簡易テストですが、「頚部をゆっくりと左右に屈曲してください。このとき、いずれかの手指に軽い痺れを感じませんか?」
このように確認するのがベストなのです。

痺れ等の神経症状が認められるときは、後遺障害14級9号の獲得が予想されます。
□整形外科・開業医における真面目なリハビリ治療を続けること、
□MRI撮影を終えていないときは、できるだけ早期に撮影を受けること、
□整骨院・鍼灸院では施術を受けないこと、
□受傷から6カ月を経過した時点で症状固定、後遺障害は被害者請求で申請すること、
□弁護士委任とすれば、保険屋さんから被害者に直接の連絡はなされないこと、
□静かな環境で治療に専念することができること、

これらを伝え、アドバイスとします。