クレサラ問題が一段落した今、交通事故は、離婚や相続に比較しても圧倒的に件数が多く、保険制度も充実、定着しており、ビジネスとして、非常に魅力的なマーケットと考えられます。

(1)まず、データを検証しましょう

Nliro調査事務所、平成21年度の事業概況によれば、人身事故の発生件数は、121万5064件です。
この内、後遺障害が認定された件数は、6万6850件となっています。
損保協会は、死亡事故が減少する一方で、後遺障害者数は増加傾向を示しており、交通事故による社会的コストは年間3兆2069億円と算出、依然として高水準にあると発表しています。
保険屋さんの基準による積算で3兆円なら、常識的な評価で6兆4138億円となります。

(2)これらの交通事故は、どのように解決されているのでしょうか?

驚くことに、70%強、80%近くが保険屋さん主導による解決となっています。
保険屋さん主導とは、保険屋さんにとって都合のいい解決がなされていることを意味します。

S49-3、示談交渉つき保険の発売とともに、保険屋さんが示談解決を主導するようになり、以来33年間、弁護士の経験則は奪い取られたまま、今日に至っています。
被害者にとっては、保険屋さんとの慣れない交渉で示談を強いられる冬の時代となっています。
保険屋さんは強い!
①生損保の自由化から14年が経過していますが、保険屋さんは、今も、H10-3-31護送船団方式当時の支払基準を適用しています。
②したがって、運用基準通りに適用しても地方裁判所支払基準の2分の1以下となります。
現実にマッチしない支払基準と、さらなる払い渋り、喪失率と喪失年数のカット等が横行しています。
人身傷害保険の普及により、保険業界全体で、より一層の被害者の囲い込みが進行しています。
⑤ダイレクト損保の参入、損保のさらなる合従連衡で、業界全体のモラルが著しく低下しています。