S49-3、日弁連の反対を尻目に示談交渉つき保険は発売されたのですが、無保険車傷害保険に加えてもう1つ、注目すべき置き土産、物損・人身事故における被害者の直接請求権があります。

加害者は、示談交渉つき保険の加入により、示談交渉の煩わしさから解放されます。
対人・対物事故で、加害者に法律上の損害賠償責任が認められるときは、その全額を保険屋さんが肩代わりするのですから、被害者は保険屋さんと協議して解決をせざるを得ないことになりました。
このときから、保険屋さんの頭越しに加害者と示談協議することは許されなくなったのです。
被害者は加害者とは交渉できません。
そこで、当時の大蔵省は、保険屋さんに当事者性を持たせ、弁護士法72条違反を回避させる必要から、被害者にも直接請求権を認めたのです。 
現在では、被害者は加害者の自賠責保険と任意保険の両方で直接請求権が認められているのです。

①対物・対人事故で、加害者に法律上の損害賠償責任が認められること、
②保険会社が、加害者に対して支払い責任を負うこと、
つまり、加害者に過失が認められ、この加害者が任意保険に加入していれば、被害者は、加害者の同意を得ることなく、保険屋さんに対して直接に損害賠償を請求することができるのです。

被害者からの直接請求を受けた保険屋さんは、
①損害賠償責任額が確定し、
②損害賠償請求権不行使の書面による承諾がなされたとき、
損害賠償額を支払わなければなりません。

損害賠償請求権不行使の書面による承諾とは、免責証書のことで、当事者間で合意が成立していない状況で示談書に代わるものです。

保険の約款、賠償責任条項の6、8条に掲載されていますが、どうしてなのか、殆どの査定担当者は、被害者に直接請求権が認められていることを知りません。
ほぼ全員の査定担当者が、「保険契約者の同意なしに、保険金の支払いができる筈がない」こんなトラウマ、錯覚に振り回されているのです。

世の中はとっくにスピード時代、不幸にして起こった交通事故も、早期社会復帰をしてスピード解決をしなければなりません。被害者であっても、いつまでも、こんなことに関わってはいられないのです。
交通事故は早期解決が大切です。
契約者が0:100主張している?
契約者が保険を使わないと言っている?
契約者の了解が得られない?

これらの説明や弁解は、すべて保険屋さんの怠慢となります。こんな時、被害者は変に納得をするのではなく、被害者の直接請求権を行使して、早期解決に邁進することになります。

「0:100の事故であるのに、加害者が100:0を主張、膠着状態で損害賠償が受けられない?」
こんな相談を受けた弁護士は、被害者の直接請求権を行使してアッケラカンと解決するのです。

間違っても、「それは、どうしようもありませんね?」 こんなオバカな説明をしてはなりません。